本セミナーは、日本とEUにおける個人情報保護制度の現状について、関係者の方々に理解を深めていただくことを目的として開催しました。現在、日・EU双方とも、関連制度の改正を進めています。
今日、経済のグローバル化、国境を越えた事業の拡大、デジタル化の進展があいまって、個人情報を含む大量のデータが国境を越えて移転されています。このため、効果的な情報保護の枠組み作りとその絶え間ない改善によって、イノベーションおよび経済成長に欠かすことのできない信頼感を醸成することが必要不可欠となっています。さらに、こうした情報の日欧間におけるスムーズな越境移転を容易にするためには、日・欧双方が高度なデータ保護を保証することが必要です。
こうした状況下、日・欧の双方において重要な進展が見られます。日本では2015年9月に個人情報保護法が改正され、2016年1月には個人情報保護委員会(PPC)が設立されました。同委員会は現在、個人情報保護法の改正点の明確化のため、政令・規則・ガイドライン等の策定等施行に向けた準備を進めています。他方、欧州では、2015年末に立法機関間で(現行のデータ保護指令に代わる)「一般データ保護規則(GDPR)」導入についての政治的合意が成立しました。同規則は2016年4月に正式採択され、公示から2年後に施行される予定です。欧州委員会は、これに先立つ移行期間内に、EU加盟各国の監督機関やその他の利害関係者と、新規則の統一的で効果的な適用を確保するために緊密な協力を進めるとしています。
本セミナーでは、日欧の施策担当者が、それぞれの新たな個人情報保護の枠組みについて、課題とその対策を含めて説明し、180名を超える方々に参加いただきました。
【プログラム】
16:00-16:05 開会挨拶 日欧産業協力センター
16:05-16:25 「日本側説明」 個人情報保護委員会(PPC)事務局参事官 山本和徳氏
16:25-17:05 「EU側説明」 欧州委員会司法・消費者総局データ保護課長 ブルーノ・ジェンカレッリ氏
17:05-17:30 質疑応答
17:30-19:00 懇親会